抄録
3次元形状類似比較の性能向上のためには,形状特徴と,形状特徴間の距離計算方法の改善が重要である.しかし,3次元モデル特徴は数十を超える高次元のベクトルで与えられる場合が多く,いわゆる「次元の呪い」により特徴量間の距離計算がうまくいかないことがある.本論文では,学習用のコーパスがあると仮定し,コーパスを教師無しで学習することにより特徴の次元を削減し,距離計算を改善して検索性能を向上させる.具体的には,コーパスに含まれる3 次元モデルがn次元特徴量空間の中で構成するm次元多様体(m<n)を学習し,多様体上で測地線距離を求め,これをモデル間の相違度とする.評価実験の結果,我々の用いた特徴量に関しては,学習無しの場合に比べ検索性能を向上させることがわかった.