抄録
三次元形状類似検索の検索性能向上のためには,特徴量と,特徴量間の距離計算方法の改善が重要である.我々は3次元モデルの多視点画像から,SIFT法[1]を用いることで複数の「人が気にするような点」(顕著点)周辺の局所特徴量を抽出し,それらの集合を3次元モデルの特徴量とした.このとき,3次元モデルの向き,位置,大きさに対する不変性を得るために,3次元モデルの正対処理を2種類適用した.相違度計算の際には,SIFT法によって抽出される特徴量の数は3次元モデルごとに異なるため,顕著点数の差や,顕著点の空間近傍を考慮することで,距離比較をする顕著点の対を絞るといった工夫を施し,計算コストを抑えつつ,検索性能を向上させた.その結果,三次元形状類似検索の国際コンテストであるSHREC2006[2]に参加した17手法中,17種の評価尺度の内,9種において1位を上回る高い性能を得た.