画像電子学会年次大会予稿集
Online ISSN : 2436-4398
Print ISSN : 2436-4371
Visual Computing グラフィクスとCAD 合同シンポジウム2007
セッションID: 07-33
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12:00-14:00 ポスターセション 座長:四ッ倉 達夫(ATR)
多重薄膜で覆われた物体のリアルタイムレンダリング
*上田 克幸面家 康孝岩崎 慶高木 佐恵子吉本 富士市
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抄録
本稿では,多重薄膜のリアルタイムレンダリング法を提案する.多重薄膜をレンダリングするためには,多重薄膜の合成反射率,入射光のスペクトル分布および等色関数の積を可視波長の範囲で積分する必要がある.この積分を計算するためには入射光,反射率,等色関数のデータを離散的な波長ごとに保持する必要がある.そのため,データ量が大きく計算コストが高い.そこで本研究では,入射光,反射率と等色関数の積をそれぞれウェーブレット変換し,結果に寄与しないウェーブレット係数を破棄することによってデータ量を削減し,高速に積分計算を行う.輝度計算に使用するウェーブレット係数の数を変化させて実験を行った結果,スペクトルの積分計算によって生成した画像と比較して,8個のウェーブレット係数を用いて見た目に遜色のない画像を生成することができた.500nmのSiO2膜を貼り付けたシリコン製のティーポットの場合,レンダリング速度が約3.6 倍高速化し,メモリ量が約61%減少した.約10,000頂点の物体の場合,約200fpsでレンダリングすることができた.
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© 2007 一般社団法人 画像電子学会
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