抄録
汚泥焼却灰はSi, Al, Feなど粘土鉱物の生成に適した成分を含んでいることから, 水熱処理をすることにより汚泥焼却灰から粘土鉱物やゼオライトなどが生成することが期待される. 今回は, 汚泥焼却灰を水酸化ナトリウム, 水酸化カリウム, 塩酸, 塩化マグネシウム, 塩基性炭酸マグネシウム, 塩化アルミニウム, およびアルミン酸ナトリウムなどの溶液を用いて, 処理温度150∼250℃, 処理期間1∼10日で水熱処理を行った. 得られた生成物をX線回折によって同定した結果, スメクタイト, カオリナイト, バーミキュライト, 雲母粘土鉱物, スメクタイト-バーミキュライト混合層鉱物およびゼオライトの生成が認められた.