抄録
AR(Augmented Reality:拡張現実)には,位置情報を用いるロケーションベース型と画像認識を用いるビジョンベース型があり,さらにビジョンベース型はマーカーと呼ばれる特徴的な図形を認識対象とするマーカー型と実在物体を認識対象とするマーカレス型に分類できる.ロケーションベース型ARにはGPSなどのセンサの精度に左右される欠点があるため,ビジョンベース型ARの普及が進んでいる.マーカー型ARの場合,表示コンテンツを切り替える際にマーカーの切り替えも必要となり,利便性の面で問題となる場合がある.そこで我々は,多数のパターンを容易に表現可能な手を認識対象とするマーカレスARの実現を目指している.本研究では,その要素技術である手形状認識に焦点を当て,マーカレスARに適した手形状認識手法を提案する.成人男性を対象とした評価実験により,提案手法の有用性が確認できた.