抄録
本研究では,点群に基づく線の引き方のばらつき (一貫性) と模擬運転作業中の反応遅れRMSおよび反応時間のばらつきの関係性を検討した.この検討を行うために,23名の実験参加者を対象に,直線描画を3回,模擬運転作業を1回ずつ行い,相関関係を調べた.その結果,相関係数が0.7程度の点群において,線の引き方の一貫性のなさが反応遅れRMSおよび反応時間のばらつきと正の相関関係があることが示唆された.また,重回帰分析を行った結果,線の引き方の一貫性から反応遅れRMSおよび反応時間のばらつきを予測できた (決定係数: 0.50, 0.48).これらのことから,ある点群において線を引く基準が変わりやすい人は,模擬運転作業においてもばらつきが出やすいと考えることができる.