抄録
多種多様な植物を同じ農地内で混生密生させ,生態系の持つ自己組織化能力を多面的・統合的に活用することで,有用植物を生産する農法として協生農法™がある.現在,協生農法を支援する技術の一環として,主要な管理作業を自動化するロボットの開発が行われているが,単一植物に対する画一的な作業で実現できる慣行農法に比べ,認識・作業の複雑さが課題となっている.協生農法では,表土を植生で覆うことが重要であり,表土が露出している場合は植生を導入して植生で被覆することが求められる.そこで,今回の研究では表土が露出している箇所を詳細に認識することを目的とする.提案手法では,RGB画像に対しセマンティックセグメンテーションを行うことで圃場を画素単位で植物か否かのラベル情報を推定する.セマンティックセグメンテーションのパラメータを変化させて推定精度を比較評価することにより、Focal Loss損失関数を利用することで,少ない学習用の画像枚数でも高精度での認識を実現できる見通しを得た.