抄録
近年,スマートフォンの普及などにより,ネットリテラシーの低い低年齢層や高年齢層のSNS利用者が増加している.日本で利用率が高いSNSとしてはLINE, Twitter, Instagramなどが挙げられる.その中でTwitterは他のSNSに比べてリアルタイムでの情報拡散力が高く,最新情報や話題となっている出来事などの情報収集のツールとして広く利用されている. しかし,デマや不確かな情報が含まれるツイートが広範囲に拡散されるケースが少なくなく,社会問題となっている.例えば,新型コロナウイルスに関するデマツイートの拡散により,トイレットペーパーが全国的に品薄となった事例がある.不正確な情報の拡散が人々に誤った行動を起こさせてしまうということが,ネットリテラシーが低い利用者も増えているTwitterにとっては大きな問題であると考えられる.我々は,ネットリテラシーが低い利用者がデマを正しい情報と誤って認識することを避けるため,デマであると考えられるツイートとデマを訂正しているツイートを抽出して提示するシステムの構築を,特に生命の危険にもつながる新型コロナウイルス関連ツイートを対象として行っている.本研究では,その第一ステップとして,「デマ」や「嘘」などが含まれるツイートの分析などを行った.