抄録
昭和43年(1968年)5月16日に発生した十勝沖地震の際には, 現在原子力発電所の建設を行なっている福島県双葉郡大熊町の東京電力株式会社福島建設所構内に設置してあったSMAC型強震計が作動し記録が得られた。その加速度記録の最大値は20gal程度であって小さいが, 応答スペクトル解析を行なった結果, 他の近くに震源を有するマグニチュードの小さい地震記録の解析結果に比較して顕著な差が認められた。この事実は構造物の地震応答計算に用いる入力地震波選定に際して参考になると思われるのでここに報告する。