日本建築学会論文報告集
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冬期建築工事の増工費の算定方式 : 第 3 報・算定手法および算定方式の実用性の検証
中村 裕史
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1975 年 238 巻 p. 1-11

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抄録
本報では次のように主増工費算定の具体的手法および全増工費の算定法を提示し, また本算定方式の実用性を検証して, 増工費算定方式提案のまとめとした。(1)主増工費算定の具体的手法として冬期工程図の作成法, 入力データの拾い出し法, および算定処理法について基準を示した。算定処理法は冬期対策別に入力・算定処理データから出力データ(増工費)までの演算過程を理論的に順を追った詳細なフローチャートで示した。(2)実態調査の分析結果から全増工費は主増工費全体の約10%増であることを確認し, 本算定方式において最終出力項目である全増工費には主増工費全体の1.1倍を当てることを提示した。また算定結果の諸検討を容易ならしめるため増工費の費目別, 工事種目別, および冬期対策別のとりまとめ法を示した。(3)本算定方式の実用性を検証し, これを確認しえた。すなわち本算定方式により算定した5種のモデル建物の増工費と実態調査事例にそれを比較した結果, 両者の相違は僅少であった。
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© 1975 一般社団法人日本建築学会
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