日本建築学会論文報告集
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クレーン走行ばりの疲労損傷に関する研究 : プレートガーダー形式のクレーン走行ばりの曲げ圧縮領域における損傷に関する実験
海野 三蔵見村 博明
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1981 年 307 巻 p. 12-23

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抄録
プレートガーダー形式のクレーン走行ばりの曲げ圧縮領域における損傷に関して, 静的実験による応力集中の調査, 及び疲労実験によるき裂発生の検証により以下の事が明らかになった。1.各々のき裂個所近傍でのレールの偏心によって生じるひずみ量は, 本文中の(4)-(14)式でほぼ推定できる。2.車輪直下のウェブの局部応力はレールの剛性, 及びタイパットの有無により異なる。タイパットが無い場合の応力分布は鋭角的になり, 鋼構造設計規準による応力負担幅よりも狭くなる。また, 局部応力度については, DIN4132 (案)による規準式でほぼ実験結果を評価できる。3.疲労実験によりB型, C型, 及びD型き裂の発生が検証された。これによりき裂の発生が検証された。これによりき裂の発生時期と静的実験で得られたひずみ量との関係が明らかになった。尚, A型き裂は本実験では検証できなかった。A型き裂は, 剛性が高く衝撃力が大きいクレーンによって生じている例が多く, 本実験でA型き裂が生じなかった理由の1つに衝撃の影響があると思われるが, 今後, 更に検討する必要があると考えている。
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© 1981 一般社団法人日本建築学会
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