日本建築学会論文報告集
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鉄筋コンクリートスラブの耐力とたわみ性状に関する研究 (III) : 鉄筋コンクリート正方形スラブの近似解法
小森 清司
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1982 年 311 巻 p. 30-41

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抄録
周辺梁を有する鉄筋コンクリート二方向スラブの荷重〜たわみ特性を追跡することは, 現状では非常に困難なことであるとされている。そこで本報では, その現状を打破するため, かなり大胆な仮定は用いているが, 簡便な方法で変動面内圧縮力のアーチ効果やねじり効果を算入した鉄筋コンクリート正方形スラブの耐力とたわみを求める近似解法を開発し提案した。その結果, この算定法によって求めた値が, 実験結果との比較において明らかになったように, 耐力, たわみ共, 従来法によって求めた値よりかなり良い精度を有していることがわかった。採用した仮定がかなり大胆であることや, 実験的な裏づけが少ないことなど, まだ問題は今後に残されているが, このような分割と合成という方法によって, 周辺梁をもつ正方形スラブのW〜δ特性が, 最大荷重到達後の減力域まで追跡可能になったと思われる。
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© 1982 一般社団法人日本建築学会
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