日本建築学会論文報告集
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角柱周辺の気流および風圧力に関する数値解析的研究(第 4 報)
藤本 盛久大熊 武司赤木 久真田村 哲郎
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1983 年 325 巻 p. 40-46

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抄録
Deardorffモデルに基づく乱流の数値解析法を用いて, いくつかの辺長比をもつ長方形断面角柱に風が作用する場合を想定した二次元非定常数値解析をおこなった。得られた主要な結果はつぎのとおりである。(1)角柱後流における平均逆流域は, 奥行/幅=2付近で最も大きくなり, 既往の実験結果と同様の傾向にある。(2)角柱後流では角柱の辺長比, 後流の位置によらず平均流速欠損分布に相似性がほぼ成立している。(3)ストローハル数は, 辺長比の違いによる特徴的な変化をはじめ, レイノルズ数が十分に大きい場合の既往の実験結果に近い値を示している。(4)角柱表面の圧力係数および角柱の抗力係数, 揚力係数は, 平均分変動分とも辺長比による変化の傾向については既往の実験結果の傾向と類似している。以上より, 本研究で提示した数値解析法は, 角柱の周辺気流および表面圧力の辺長比の違いによる変化を, 今回の解析程度の計算格子点数の制約下においても定性的には表現し得る方法であるといえ, 将来的にはこの種の現象解明に有望な方法であることが示唆される。
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© 1983 一般社団法人日本建築学会
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