日本建築学会論文報告集
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1033 加熱に伴う鉄筋コンクリートラーメンの変形と熱応力に関する実験的研究 : 変形と熱応力の解析(材料・施工)
原田 有
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1958 年 60.1 巻 p. 129-132

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抄録
この研究は、閉鎖型ラーメン、張間×高さ135cm×70cm,断面寸法は何れも15cm×10cm,1〜9φの加熱中に於ける変形の報告につづき、ラーメンの熱応力と変形に関する解析を述べたものである。即ち架構の梁をその全長に亘り下端から急熱し、断面の内部温度の分布曲線が、(i)主筋面で最高温度を300℃とするもの及び(ii)最高温度を400℃とするものにつき、加熱の時間的経過と温度分布曲線の変化を測定し、この温度分布曲線に基いて彎曲率1/ρを算定したもので、この1/ρに相当する曲げモーメントを求め、この曲げモーメントを外力とするラーメンの応力を算定した。なお温度分布曲線により梁の伸率を求め、計算伸率によつて同じくラーメンの熱応力を求めた。なお前二者を総合した応力を以てラーメンの変形量を算定した。この計算値を測定値と比較すれば15〜20%の差異がある。但し高温度の実験のため一応この程度の誤差はやむを得ないと考え近似的な熱応力の算定方法として報告する。なお加熱中に於けるコンクリートの弾性係数の低減率は既報により加熱後冷却直後の比率と等しいと見做した。この仮定によつて加熱中の架のM〜1/ρ曲線を算定し或はMenzelの研究により加熱中の軟鋼の応力歪曲線を求めた。なおこのM〜1/ρ曲線については既報の冷却したラーメンの応力と変形に関する報告を併せ参照されたい。
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© 1958 一般社団法人日本建築学会
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