日本建築学会論文報告集
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1010 試製メーソンリー・セメントの試験(材料・施工)
中村 伸矢野 光一大沢 清八
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1960 年 66.1 巻 p. 37-40

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抄録
年間200万屯の需要のある左官用セメントには現在、普通ポルトランド・セメントが使用されているが、ポルトランド・セメントは本来コンクリート用セメントとして使用さるべき性質のもので、そのため強度を主として研究されているに対し、左官用セメントは早硬性は必要とするが強度は必要としないとか、また左官工が塗りやすく、かつ後に塗面に亀裂を発生しないことを必要とするなど、所要性質を異にしている。アメリカでは普通ポルトランド・セメントの他にメーソンリー・セメントと称して左官用あるいは煉瓦、ブロック積み目地用の特殊セメントが生産されている。日本では左官用のセメントが多く、煉瓦積み用が少ないから事情をやや異にし,アメリカのメーソンリ・セメントを模倣するわけにはゆかないが、試作研究の必要があり、現場での需要も相当量あるようである。この報告は34年度文部省科学研究費補助金を受けて数社で試作された左官用セメントの物理試験結果をまとめたものである。
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© 1960 一般社団法人日本建築学会
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