抄録
介護専門型有料老人ホームの入居者(痴呆症状を有する者も含む)を対象に快適なホームでの生活を維持向上するために園芸活動を取り入れる施設が増加している.そこで重要なことは活動参加者の日常の精神的障壁をできるだけ取り除く効果を生み出す園芸活動内容を提供することである.ここではそのような目的で高齢者福祉施設における園芸活動システムの構築を試みた.精神的障壁は多岐にわたるが,一般的にその障壁が原因で,園芸活動などの集団の場での活動程度が低下するので,何らかの障壁があることはそこから推察できる.換言すれば,そのような活動への参加度合いが向上すれば障壁が減少していると考えられる.この障壁を取り除くために最適な園芸活動内容の組み立て,活動を行った結果の評価,障壁の変化などを一連のシステムとして扱う方法について検討した.具体的には園芸活動実施前後における脳酸素代謝動態と唾液中ストレス関連物質の変化量をストレス(総合的な障壁の存在程度に比例すると仮定する)指標とし,参加者に対するアンケートやビデオ観察結果などのデータをニューラルネットで用いてモデル化することで,園芸活動をシステムとして扱い可能なものにした.