抄録
コンバインは様々な作物条件や気象条件のもとで作業を行うため,その研究開発において,それらの条件に対するロバスト性をいかに高めるかという点が課題となる.これに対して有効な手法として考えられるのがタグチメソッドである.タグチメソッドは,SN比という指標が誤差因子(環境のばらつきなど)に対してロバストなシステムを設計することにおいて有用であることから,さまざまな製品の品質向上を図るための手法として利用されている.この手法では,制御因子(設計因子)に各因子間の交互作用の小さいものを選定する必要がある.この選定過程が手法を正しく適用するために重要となる.しかし,あらかじめ全ての因子間の交互作用を実験的に求めることは現実的に不可能であり,それゆえコンバインの研究開発においては適用が進んでいないのが実情である.さて,近年ニューラルネットワーク(ANN)はさまざまな非線形システムのモデル化に利用されている.そこで本研究では,ANNにより非線形システムであるコンバインのシステムを記述することができれば,あらかじめタグチメソッドを適用する上で問題となる制御因子間の交互作用を明らかにすることができるのではないかという点に着目し,ANNによるモデル化とタグチメソッドによるロバスト設計手法を組み合わせた設計手法の有効性を探る.