農業情報研究
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原著論文
農薬使用リスク管理システムの開発実証
南石 晃明木村 浩平石 武高橋 利美
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2006 年 15 巻 4 号 p. 359-371

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抄録

営農現場における実際の業務利用を想定した農薬使用リスク管理システムを開発した. 本システムの第一の特徴は, 多段階および多基準の農薬適正使用判定が可能なことである. 農薬取締法や農協独自基準を含め多様な基準に対応しており, 使用基準の作成から防除作業時まで農薬使用に関する多段階での事前判定および警告が可能である. さらに, カメラ付きGPS携帯電話を用いることで, 判定時の場所や病害虫画像を含む農薬使用履歴情報 (5W1H) を自動記帳することができる. 天童市農業協同組合における実証試験では, 実際の業務においてシステムを使用した. その結果, 多基準および多段階判定方式の有効性が明らかになった. また, OCR方式と携帯電話方式に関する比較検討を実施した. 前者では農薬使用履歴記帳・事後判定, 後者では農薬適正使用事前判定・履歴記帳の順序で処理が行われる. その結果, 現状ではOCR方式の普及性が高いものの, 将来的には携帯電話方式の普及が期待できることが明らかになった.

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© 2006 農業情報学会
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