抄録
農業関係公立試験研究機関における気象データの観測,収集とメッシュデータの開発並びにそれらの農業への利活用状況についてアンケート調査を行なった.独自の気象観測は約75%の機関で実施しており,農業関係機関が生産している情報としては極めて多いものの一つとなっている.しかし,データの収集,蓄積,提供のためのメディアは多様であり,依然印刷物の占める割合が高い.メッシュデータの開発は農業情報のシステム化と並行して増えつつあり,調査対象機関の約1/3が開発・整備するに至っている.また,気象情報が生育診断など農業の各分野に利用され役割を高めつつあるのに伴い,必要とする観測要素の欠落や気象値分布の推定精度等に関する問題点も明らかにされつつある.