2026 年 35 巻 2 号 p. 40-48
近年の国内農業では,担い手の減少と高齢化により人手不足が深刻化しており,省力化・自動化を目的とした技術開発が求められている.大分県の小ねぎの出荷工程では,外葉を除去して「一芯一葉」の状態に仕上げる調製作業が必要であるが,現行機では精度が十分でなく,手作業に依存している.この課題に対し,圧縮空気を吹き付けて不要な外葉を除去する自動調製機の開発が進められている.予備実験の結果,根元の太さに基づくサイズ区分(S/M/L)に応じて空気圧を調整することで,除去精度が大きく向上することが確認され,根元の太さを迅速かつ高精度に分類する技術が,調製機の性能向上に不可欠であることが明らかとなった.本研究では,セマンティックセグメンテーションにより小ねぎ領域を抽出し,マスク画像から根元付近の太さを算出して,最適化した閾値によりS/M/Lに分類する手法を提案した.太さを評価する位置と範囲を最適化することで,高精度な太さ分類を実現した.実験の結果,提案手法はAccuracy 97.4%,Macro-F1 95.6%を達成し,End-to-End分類モデルと比較して最大で3.0%の性能向上が確認された.処理時間は22–25 msと短く,実時間での応答が可能であることを確認した.