2022 年 13 巻 p. 48-
本稿は,大学院での日本語教育実習を通じ,問題となった教師の訂正フィードバックについて考察する。3期にわたる教育実習を通し,教師が行った訂正フィードバックを学習者に気づいてもらうことが最終的な課題として残った。そこで,教育実習における筆者の担当授業を分析し,どのような訂正が行われていたか,学習者は訂正フィードバックに対してどのような反応をしたか,を調査した。結果として,学習者はリキャストなどの暗示的フィードバックに気づかない例が多く見られた。その問題を解決するため,誤りがあった部分のトーンを変えることや,レベルが低い学習者へ明示的訂正を使用することなどの改善案を考えた。