2014 年 5 巻 p. 128-150
筆者は,大学院での日本語教育実習を通して言語教育における`インターアクション'の重要性を学んだ。秋と冬に行われた実習では,筆者と学習者とのインターアクションが自然に行われていないと感じた。分析の結果,筆者の学習者の発話に対する返答が原因となり,不自然な会話展開になっていたことが明らかとなった。春学期の実習では,以前に比べて,インターアクションが自然に行えるようになってきたとは感じられた。しかし,担当クラスの学習者はレベル差が大きく,よく話せる学習者とのやりとりが過多となってしまい,あまり話せない学習者への対応が疎かになってしまった。本稿では,筆者と学習者とのインターアクションを振り返り,その改善方法を探る。