本稿では,アクション・リサーチの手法に基づき,「学習者同士のインターアクションを遮る教師の介入から生じる学習者間の発話量の偏り」という課題を克服するため,春実習の自らの教育実践を分析し,今後どのように改善していくべきかを報告する。秋・冬学期の二つの教育実習の振り返りから,筆者は「教師の介入度の高い授業運営」をしていたことに気付き,春実習ではグループ活動を中心とした授業運営を行い,その克服を目指した。しかし,結果的に,筆者が期待していたような学習者間の発話が活発なグループ活動の進行を促すことはできていなかった。今後の授業改善に向けて,春実習で行った筆者の授業におけるグループ活動の効果を,学習者主体の教育理念にもとづくCooperative learning におけるグループ活動の在り方に照らし合わせて検証し,改善点の明確化を試みた。今後のグループ活動では,Cooperative learning に欠かせない要素を取り入れた綿密なコースデザインを基に,指導中はグループ活動を観察することに意識を向けることで,効果的なグループ活動の運営を実現させたい。
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