抄録
本研究では、東海豪雨の地価への影響を、全体的な地価への影響とその各種類の時間的·空間的影響に分けてヘドニックアプローチを用いて検討した結果は、(1)浸水深が高いところほど地価が低いこと、(2)浸水有無と浸水深の2001年の地価への全体的影響が下落量と下落率ではともに確認された。浸水しなかったところより浸水したところのほうが約2.2∼2.9万円/m2、13.7∼20.3%下がることと浸水深が50cm増加するにつれて地価が4400∼9900円/m2、3.44∼5.4%下がること、(3)2002年に浸水したところの地価の下落量と下落率は、しなかったところより小さいことがともに有意に認められること、(4)空間的に2001年と2002年の下落量では有意な差は認められないが、下落率では2001年に名古屋市西区で浸水有無と浸水深の地価への影響は有意に認められること、(5)土地利用種類的には、下落量では2001年には浸水有無と浸水深とともに住宅地と工業·準工業地、2002年には浸水有無では商業地、浸水深では住宅地、などの差が有意に認められ、下落率では、2001年には全ての土地利用種類が有意に認められるが2002年には有意に認められないこと、(6)浸水深と地価下落との直線性は一年目のみ認められたこと、等々が明らかになった。