日本地理学会発表要旨集
2002年度日本地理学会秋季学術大会
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中央ヨーロッパにおける市場経済化の進展に伴う都市システムの変容
山本 充
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p. 27

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抄録
1990年代、中央ヨーロッパの旧社会主義国においては、政治経済改革とともに市場経済化が進展し、この地域における都市システムは、大きな変容を被ってきた。まず、首都を始めとする大都市が経済投資の受け皿となって就業機会も増大し、大都市郊外の小都市や農村が、新たな人口の受け皿となり、大都市圏が形成されてきた。投資が、大都市とりわけ首都に集中する結果、それぞれの国の中で、首都が卓越した地位を獲得する傾向にある。国境を越えた局地的な都市間結合も形成されつつある。EU統合の深化と拡大、そして経済のグローバリゼーションの進展の中で、中央ヨーロッパの旧社会主義国の諸都市は、西ヨーロッパ諸都市との関係を密にしてきた。航空、道路、鉄道といった交通ネットワークの改善や情報ネットワークの構築を通して、上述のような変化はさらに加速化され、都市間格差ひいては地域間格差も拡大すると想定される。
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