抄録
カンチェンジュンガ地域に位置する、グンサ谷の高山草地を対象として、その地形·植生条件、非採食状態における草本植物の生長量、その生長量に関わる気温条件について、それぞれ調査を行った。その結果、草地の種組成が多様であることや、平坦地と斜面とでは草本植物の生長量が異なることが明らかになった。代表的な放牧地に保護柵を設置し、草本植物を8月末まで非採食状態で保ったところ、その地上部分の平均重量(生重)は、平坦地で2272g/m2、斜面で380g/m2であった。この結果と気温観測結を用いて、調査地域全体の草地の生産力を推定した。また、放牧前後の草本植物の地上部現存量を調べ、放牧による草本植物の減少量を分析した。これらの結果から、牧夫たちの放牧地利用計画を分析·評価することを試みた。