日本地理学会発表要旨集
2003年度日本地理学会秋季学術大会
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フランスアルプス北部、エギュイグリーヴ山地の岩石氷河表層を構成する岩塊の2次元ファブリック
*知念 民雄
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p. 141

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抄録
1 目的マクロファブリック(macrofabric、レキの空間的配列構造)にもとづいて地形プロセス(レキの集合体の流動や運搬様式)を推定あるいは復元する研究がある(山本, 1990ほか)。一方、地形プロセスがすでに判明している場合の特徴的ファブリックを検討することも重要なアプローチである。後者に主眼をおく本研究(予備的踏査)の目的は、フランスアルプスのエギュイグリーヴ(Aiguille-Grive)山地において、岩石氷河の表層を構成する岩塊の2次元ファブリックの特徴を明らかにし、ファブリックと岩石氷河上面の微地形との対応関係を検討することである。2 研究地域と方法エギュイグリーヴ山地はブールサンモーリス(北緯45°37′東経6°46′)の南東に位置する。その最高峰は標高2732mであり、南北にのびるアレート状の分水嶺は約2500mの定高性をしめす。地質はおおむね、標高2000mより下部は頁岩、山稜の急崖部は硅岩、その間は片麻岩で構成される。硅岩からなる山稜には割れ目が密度高く縦横に走っている。山稜の直下には岩塊地がひろがり、表層が硅岩からなる化石型岩石氷河--平面形は耳たぶ状と舌状をしめす--が分布する(知念, 1995, 2000)。岩石氷河上に8個、崖錐に1個、成因不明瞭な岩塊地に2個の方形区(ほとんどが20mX20mの正方形)を設定した。岩石氷河上面の場合、航空写真判読と現地調査にもとづいて微地形を把握したうえで、畝?溝状微地形が等高線方向と斜面傾斜方向に卓越する場所を選定した。各方形区から大きい岩塊(平均径は50cm以上)を約50個抽出し、各々の長軸方向を8方向に区分して記録した。岩塊長軸の平均方位(vector mean)と平均方位への集中度の指標としてのベクターマグニチュード(vector magnitude)(Krumbein, 1939)を算出して考察に供した。3 結果岩石氷河上面の岩塊長軸が斜面最大傾斜方向に一致する度合い(平均方位とベクターマグニチュード)は崖錐や線状岩塊地より低かった。岩石氷河上面の岩塊のファブリックは構成岩塊の運搬距離や斜面最大傾斜方向より局所的な微地形に左右される傾向を示した。しかし、いずれも資料数が少ないのでさらなる検討を要する。
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© 2003 公益社団法人 日本地理学会
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