日本地理学会発表要旨集
2003年度日本地理学会秋季学術大会
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横浜市における住宅団地の人口動態
*伊藤 慎悟
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p. 57

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抄録
1.はじめに 本研究の目的は、高度経済成長以降、急激な人口増加を経験した横浜市内において、ほぼ同時期に開発された住宅地区の人口高齢化進展と、地区間格差について議論することである。 大都市圏における人口高齢化については、地理学でも多数の研究成果が上げられているが、人口減少が顕著であった都心や中心市街地での高齢化に加え、今後の動向という点で、大都市郊外地域の人口高齢化についても関心が高まっている。しかしながら、郊外地域内における人口高齢化進展の地域差に関しては研究蓄積が少なく、本研究では住宅地居住人口の高齢化過程を中心とした人口動態の地域格差を見出したい。 2.研究対象地域(第1図) 本研究の対象地域は、東京大都市圏の郊外住宅地域として、1960年代を中心に人口が急増した横浜市である。研究対象地域の選定に関しては、伊藤(2003)での研究結果を踏まえ、横浜市内でほぼ同時期に開発が行われたとされる住宅地域間の比較を行うべく、神奈川県(2002)『住宅団地立地調査書』をもとに、「造成又は建設着工及び完成年度」の期首年度が昭和39(1964)年から43(1968)年に該当する公共・民間の48団地を研究対象とした。なお、ここでの「団地」の定義に関しては、上記資料によるものとする。3.調査の方法 本研究では、先に述べた48団地の時系列人口動態を調べる上で、国勢調査の最小分析単位である国勢調査区(基本単位区)別集計(非掲載第1表、ただし平成7年国勢調査からは第2表)を用いた。これら48地区は先に示した住宅団地を含む調査区の集合体である。なお、本研究では微細な地域単位での経年変化を見るため、調査区設定変更によって経年比較が困難と判断した地区は対象から除外した。また、このような調査区別集計では世帯(家族)構成や就業構造、住宅の建て方などのデータも入手可能である。4.全48地区の年齢構造 まず、今回取りあげた48地区全体の年齢構造上の特徴について概観した。とりわけ30歳代(1936_から_1945年生まれ)と0_から_9歳(1966_から_1974年生まれ)の集積が著しく、当然ながら高齢者の比率は、比較的低いと言われる横浜市の平均よりもさらに低い。 年齢構造3区分では、1975年以降、年少人口比率(0_から_14歳)で急激に低下し、高齢人口比率(65歳以上)は90年代前半頃まで緩やかに上昇していたが、ここ数年上昇度合が強まっている。 また、本研究では年齢構造を総括的に把握すべく、平均年齢にも着目したが、1975年から2000年までに、横浜市では10歳上昇したが、48地区全体では14歳以上上昇している。(第2図)5.人口高齢化進展の地区間格差 入居して間もないと考えられる1975年時点で、既に年齢構造には地区間でかなりの差が生じている。また、既存の研究でも明らかとなった、居住人口の「加齢」による高齢化が着実に進んでいる地区と、そうでない地区といったように、対象地区間における年齢構造の変化は多様性に富んでいることが明らかとなった。本研究は、人口以外のデータも収集し、人口高齢化進展との関係について吟味した。文献伊藤慎悟2003.郊外住宅地域における人口高齢化の地域差―横浜市泉区の事例.新地理50:27_-_40.
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© 2003 公益社団法人 日本地理学会
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