日本地理学会発表要旨集
2006年度日本地理学会春季学術大会
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長野県上高地奥又白谷における植生のモザイク構造と土石流の堆積
*松村 聡子目代 邦康
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p. 206

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抄録
長野県上高地には,幅広い谷底が存在し,そこを流れる梓川本流と支流との合流地点には,多くの場所で沖積錐が発達している.この沖積錐は,山地斜面で生産された砂礫が,土石流となって流下・堆積し,生長を続けてきた.そのため,沖積錐の地形的特徴を理解することは,山地斜面から河川への土砂移動過程を解明する上で重要である.そこで,我々は,上高地に分布する沖積錐の一つである奥又白谷の沖積錐について,地形の形態的特徴や植生分布を元に,過去約100年間の地形の変化過程の解明を試みた.本研究では,沖積錐の地形と,植生について面的な現地調査を行い,土石流の流下・堆積の過程とそれに起因する植生のモザイク構造を明らかにした.さらに,流路に建設されている治山ダムが地形,植生環境に及ぼす影響についても言及する.
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© 2006 公益社団法人 日本地理学会
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