抄録
本研究は, 東京ディズニーランドに対して抱くイメージを, その対象者の地域的な背景, 特に対象者との距離に着目して明らかにした. 居住地の異なる大学生を対象に, SD法に基づいた評定尺度法調査を行い, 因子分析を適用して, イメージの構成要素を抽出した. また, 因子得点をもとに, 東京ディズニーランドまでの距離によるイメージの差異を検証した. 因子分析の結果から, 東京ディズニーランドのイメージは, 主に「心理的因子」, 「空間的因子」の2つの要素によって構成されていた. 第1因子である心理的因子には, 「わくわくする」「楽しい」など対象者の主観的な感情が表れており, 第2因子の空間的因子は「静か」「緑が多い」といった景観を客観的に捉えたものであった. 心理的因子は, 対象者が言語的側面から感情的に東京ディズニーランドを捉えたものであり, 心理的な遠近感が影響すると推察された. 一方, 空間的因子は, 対象者が持つとのイメージの視覚的側面が表れており, 行動経験がその形成に寄与すると考えられた.