抄録
地理学会における、これまでの筆者の一連の発表を総括すると、ハンブルクとブレーメンという2つの都市州の対照的ともいえる生き方が鮮明になってくる。両者は、北ドイツのハンザ都市であり、現在もなお、ドイツを代表する港湾都市であるという共通点を有している。にもかかわらず、両者はいつも政府の政策に対して、正反対ともいえる行動をとってきた。時には、ブレーメン市長がハンブルク市長の下した決断に対して愚かであるとのコメントを出したことが新聞(Die Welt )で報道されたこともあった。これは、都市ならびに港の発展に関する両者の考え方の違いに起因するものではないだろうか。2001年から継続して実施している現地調査をもとに、この問題について検証することが本研究の目的である