日本地理学会発表要旨集
2009年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: 209
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回帰木モデルを用いたモンゴルにおける将来のゾドリスク評価
*立入 郁篠田 雅人
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抄録

農牧業を国の基幹産業とするモンゴル国においては、気象災害は国の社会経済に大きな影響を及ぼす。特に、近年発生した大規模な干ばつやゾド(寒雪害)はモンゴルの社会経済に深刻な被害をもたらしたことが伝えられている。加えて、地球温暖化による気候変動、砂漠化などに伴う自然環境や陸上生態系の長期的な変化は、農牧業への影響、水資源への影響などを通して自然に依存している部分の大きいモンゴル国民の生活に深刻な影響を与える懸念が指摘されている。本研究では、干ばつ・ゾドのメカニズム解明と早期警戒を目的として著者らが先に開発した回帰木を用いた診断モデルを、温暖化予測モデルの出力値のみを用いる形に簡略化し、今世紀の残りにおけるゾドリスク評価を行った。2010~2099年のゾド頻度をみると、中南部から北東部にかけての地域でゾドの頻度が高く、特に被害の大きいゾドは南部から東部にかけての3アイマグ(県)に集中してみられた。

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© 2009 公益社団法人 日本地理学会
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