日本地理学会発表要旨集
2010年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: 301
会議情報

メルボルン大都市圏における通勤特性
*堤 純
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

はじめに
 本報告は,オーストラリアのメルボルン大都市圏(2006年の国勢調査時の人口は359万人)を対象として,交通手段別にみた通勤流動のパターンを考察することを通して大都市圏構造の一端を解明することを目的とする。
 使用するデータは,オーストラリア統計局(以下,ABS)の発行する2006年国勢調査データの公開サービス(有料)の一部機能である「テーブル・ビルダー」を利用して独自に作成したデータを用いた。これにより,大都市圏全域の小統計区であるCD(Collection District)を対象に,民族的な出自,宗教,所得,学歴等々家庭で使用する言語や所得,通勤に使用する交通手段等に関する詳細なデータが取得可能となった。また,単一属性のみならず,「通勤に自家用車を利用」かつ「週給2,000豪ドル以上の高所得者」というような2種類の属性をクロスさせたデータも,特定の大都市圏や都市,中統計区SLA(Statistical Local Area),CDといった任意の地区に対して入手可能である。

結果の概要
 図1は,メルボルン大都市圏において最大の雇用をもつメルボルン都心(Melbourne (C) - Inner)SLAへの通勤者(148,033人)のうち約21%に相当する自家用車による通勤者(30,816人)の分布をCD別に表したものである。 また,図2は,同大都市圏において第二の雇用をもつKingston (C) – North SLA(約20km圏)への通勤者(60,527人)のうち約74.3%に相当する自家用車のみによる通勤者(44,982人)の分布をCD別に表したものである。 これらの結果,都心への通勤者は公共交通によるものが過半数を占める(Fujii et al. 2006)が,公共交通機関の充実した10km圏内の高所得地区を中心に自家用車による通勤がかなりみられること,また,20km郊外のKingston Northへの通勤は,公共交通機関の分布が粗である郊外間を自家用車により通勤するパターンがかなり広域にわたること等が確認できる。他の社会・経済的属性との関連については当日報告する。

Fullsize Image
著者関連情報
© 2010 公益社団法人 日本地理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top