日本地理学会発表要旨集
2010年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: S1402
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白神山地における地生態学図の作成
*佐藤 浩
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抄録
地生態学的研究には、詳細な等高線図が有用である。本邦では今世紀に入り、航空レーザ測量が実用化され、このツールを使えば従来の空中写真測量による等高線よりも、微地形を捉えられる等高線図が手に入るようになった。また、落葉期と着葉期の航空レーザ測量データから、植生高を広域的に把握できるようになった。本研究では、白神山地の秋田・青森県境、二ッ森の北麓斜面、4km2を対象地区とした。そして、レーザ等高線図を読図して作成した19分類の微地形分類図、レーザ植生高データ、航空ハイパースペクトルセンサデータから作成した6分類の植生図を組み合わせ、決定木の手法で16分類の地生態学図を作成した。作成した地生態学図は、生物多様性の評価や自然環境保全のための基礎資料としても有効であると考えることができる。

 作成した地生態学図
1: ブナ:上流からの流送土砂の影響, 2: ブナ:融雪出水等の影響, 3: ブナ高木, 4: ブナ中低木,5: サワグルミ:上流からの流送土砂の影響, 6: サワグルミ:緩慢な土砂移動の影響, 7: サワグルミ:河川の影響, 8: サワグルミ:古期斜面, 9: チシマザサ:上流からの流送土砂の影響, 10: チシマザサ:緩慢な土砂移動の影響, 11: チシマザサ:古期斜面, 12: 高茎草本, 13: 灌木・裸地:雪崩の影響, 14: 灌木・裸地:河川の影響, 15: 灌木・裸地:崩壊の影響, 16: 灌木・裸地:古期斜面
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