平成21年7月中国・九州北部豪雨により那珂川流域では多数の斜面崩壊が発生し,那珂川は那珂川町から福岡市中心部までの沿岸で溢流・氾濫したため多くの被害が出た。この溢流・氾濫の実態は調査されたが,それらを誘導した土地条件(土地利用,土地被覆,地形条件など)に関して検討が十分ではない。また近年,レーザーデータを用いた斜面崩壊や活断層に関する地形解析が試みられているが,氾濫原に対する地形解析例はあまりない。そこで本研究では那珂川町での溢流・氾濫に関わる土地(地形)条件をレーザーデータによる地域区分を通じて検討し,その有用性を示した。地域区分としては地形区分と流域区分を扱った。