抄録
日本の一部の農村において、都市からの人口流入にともない周辺環境の維持だけではなく、行政サービスや商業サービスの向上、農村環境の美化がなされている。近年、農村地理学において、このような農村の質的向上をルーラルジェントリフィケーションとして捉える動きがある。しかし、研究の対象地域の大半はイギリスやドイツ、フランスなどヨーロッパの農村であり、ヨーロッパ以外の農村地域における研究の蓄積が期待されている。そこで、本研究は、長野県安曇野市穂高地区を事例とし、日本の中山間地域におけるルーラルジェントリフィケーションの進展について明らかにする。