日本地理学会発表要旨集
2011年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: 714
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中部日本の南風について
霧ヶ峰との比較
*野口 泰生
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抄録

 中信高原霧ヶ峰とその周辺山地では一年を通して南風が卓越し、積雪分布を通して地形発達、周氷河現象、植物分布に特異な斜面の非対称性が形成されている。この南風と他のアメダス地点の南風との相違や類似性を関東甲信越地方を中心に議論する。  使用した気象資料は霧ヶ峰山岳測候所データ(1943~48)とアメダスデータ(1993)155地点の時別値である。毎時の風向データから霧ヶ峰や関東甲信越のアメダス地点における南風(ESE~WSW)の出現頻度(%)を求め、月別に出現頻度分布図を作成した。この図には一日の風向逆転(海陸風や山谷風)に伴う南風と山越え・迂回などの地形効果により発生する南風が含まれる。そこで、今回は各地点から前者の風向逆転日を除外して分布図を作り直した。  毎月の南風出現頻度(%)の年変化様式には地域性が見られる。そこで、_丸1_年中南風が卓越する地点、_丸2_主に夏に南風が卓越する地点、_丸3_主に冬に南風の地点、_丸4_一年中南風が少ない地点、_丸5_その他、の5種類に地域区分し、考察した。  福井・石川・富山県の日本海側の地域や霧ヶ峰・木曽谷・伊那谷などは_丸1_に属するが、南風が出現する時間帯にはそれぞれ特徴が見られる。

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