抄録
2011 年3 月11 日の東北地方太平洋沖地震により,広域的な津波被害が生じたことを受け,日本地理学会災害対応本部は津波被害を検討する作業チームを立ち上げ,航空写真判読に基づいて縮尺2万5千分の1の津波被害分布図を作成し,3 月29 日にインターネットを通じて発表した.(http://www.ajg.or.jp/disaster/201103_Tohoku-eq.html;英語ページもあり).
被災マップ作成の目的は,被災範囲をできるだけ迅速に把握し,救援活動や復興計画の策定に資するデータを提供すること,および津波遡上の全体像を明らかにして現地調査のベースマップを提供するとともに,被害分布の地域性を明らかにして,被害の原因解明調査に資するデータを提供することであった.
本発表では,マップ作成の経緯と意義について述べる.