抄録
従来の研究成果から,干渉SAR技術により地すべり性の地表変動が捉えられることが知られており,国土地理院では主要な地すべり地(山形県月山地区,秋田県東成瀬地区,静岡県赤崩地区)を対象に,陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)に搭載されたPALSARの観測データを用いて定常的に観測・解析してきた.今回,静岡県赤崩地区について,アーカイブされた過去のSAR干渉画像を細かく調べたところ,口坂本地すべりで有名な静岡県葵区口坂本地区(口坂本温泉)の北方の谷壁斜面において小規模な干渉縞が確認でき,現地を調査したところ,同地点で地すべりが発生していることを確認したので,両者の対応関係等について予察的に報告する.