抄録
宮古市田老地区は東日本大震災による地震と津波により甚大な被害を受け,田老スタンプ会に加盟する39会員中37会員の店舗も流出して全壊した。同会の会員により2011年5月15日に仮設テントによる共同店舗の運営が開始され,9月25日には22事業所が入居する共同仮設店舗が開店した。同施設は約400戸の仮設住宅が立地する敷地に隣接して軽量鉄骨2階建て3棟からなり,1棟に約49㎡の店舗スペースが8区画設置されている。業種は食品,飲食,理美容,学習塾,企業の事務所等から構成される。2012年8月に全事業所を対象にして聞き取り調査を実施し,開設の経緯,小売機能特性,仮設住宅居住者の利用特性,仕入れ形態の変化,直面する課題について明らかにした。