抄録
国内最古のニュータウンである千里ニュータウンを事例地域として、その周辺と内部における分譲マンションの供給動向を調べた。ニュータウン周辺地域では、千里ニュータウンのイメージの良さを活用した分譲マンションが1970年代から供給され始めたが、これは千里ニュータウン内の再開発が規制されていたことを反映していると考えられる。他方、ニュータウン内部では、1980年代における給与住宅の改築を皮切りとして分譲マンションの供給が始まり、1999年におけるPFI法の成立によって一層多くの分譲マンションが供給されるようになった。現在では、内部での供給戸数が周辺地域のそれを上回っており、千里ニュータウンは大きな変革期を迎えているといえる。