日本地理学会発表要旨集
2014年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: P043
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発表要旨
過疎地域における行政を主体とした祭りの文化資源化の意義と課題
佐久市望月の榊祭りを事例として
卯田 卓矢*阿部 依子
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抄録

 1950年代以降に進行した農山村地域の過疎化は社会・経済的基盤の衰退に加えて、祭礼や伝統行事などの文化的基盤の衰退も生じさせた。地域の祭礼は地域内の信者や氏子により執り行われるものであり、担い手やその後継者である住民が減少した地域では祭礼をいかに存続させるかが重要な課題となった。この状況に対し、自治体では祭礼存続に向けた様々な取り組みを進めた。その中で、祭礼や伝統行事を文化資源として位置づけ、祭礼の「上演」や各種ベントの融合などにより地域の活性化や紐帯の強化、またそれによる祭礼の維持を図る地域もみられた。以上のことから、祭礼存続を検討する上で行政の取り組みに注目することは重要であると考えられる。
 そこで、本研究では佐久市望月の榊祭りを事例に、行政による祭りの文化資源化のプロセスと祭り存続における意義、および課題について検討する。当地は1959年に4町村により望月町(北佐久郡)として発足し、2005年に佐久市に合併した。

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© 2014 公益社団法人 日本地理学会
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