抄録
今回のシンポジウム「近代日本における地方拠点的地域の形成過程と人間主体の社会空間的活動」は,2011-2013年度日本学術振興会科学研究費補助金・基盤研究(B)「近代日本の地方拠点都市の成長と人間主体の社会空間的活動に関する歴史地理学的研究」(研究課題番号23320180;研究代表者 山根 拓)の研究成果を問うものである。われわれはこの科研グループを通じて,今回,近代日本の発展に不可欠な役割を得て,それに大きく貢献したと考えられる地方都市・地域に着目し,それらの発展過程をリードした「人間主体」の役割を明らかにした。もっともいろいろなケースがある。同様の都市属性を持っているからといって,同じような発展・衰退の経緯をたどるわけではない。メンバーがどこをフィールドに,どのような観点から研究を進めようとしているのかを紹介し,シンポジウム全体でどのような目的を目指すのかを示したい。