抄録
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)等によって地球温暖化への関心は年々高まっているが、その変動をより理解するためにも過去における天候を再現することは重要である。しかし、日本においては公式気象観測が始まったのは1870年代であり、ヨーロッパやアメリカに比べると遅く、1870年代以前の気象では日本は空白である。そこで観測値の代用として、日々の天気を記録した古日記の存在が日本において注目されてきた。本研究では、古日記から得られる天気を雲量や降水量に変換し、アンサンブルカルマンフィルタによって全球大気循環モデルにデータ同化し、歴史天候を復元することを目的とする。本発表では理想実験や再解析データを用いて、雲量のみもしくは雲量と降水量によるデータ同化の有意性について紹介したい。