日本地理学会発表要旨集
2014年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: 205
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発表要旨
「まつぼり風」の実態と吹走メカニズムに関する実証的研究
現地調査とメソ気象モデルを用いて
*坂本 壮
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抄録
「まつぼり風」とは九州地方阿蘇地域の阿蘇外輪山の切れ目(立野火口瀬)で吹く非常に強い東風であり,吹走地域の人々の生活に大きな影響を及ぼしている.本研究では,「まつぼり風」の実態と吹走メカニズムを明らかにするため,2013年3月14日から4月20日にかけて熊本県大津町に滞在し,現地では聞き取り調査,風速の定点観測と移動観測を行った.また,メソ気象モデルRAMSを用いた再現実験に基づく解析を行った.その結果「まつぼり風」吹走時,立野火口瀬付近にある大津東小学校と,強風域の南に位置する西原村では風速比にして1.5倍以上の風速の違いがみられた.一方,西原村で大津東小学校と同程度の強風が観測された事例に関しては,数値計算結果から山越え気流によるハイドロリック・ジャンプ現象の起こる位置に西原村が位置していることが明らかとなった.
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© 2014 公益社団法人 日本地理学会
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