抄録
ユーラシア大陸北部を偏西風波動の影響を受けて東進する低気圧がもつ大気の性質を,移動とともに追い,その構造の変化を明らかにすることが,本研究の目的である。
夏季の降水量をみると,モンゴルでは北東部ほど降水量が多く,南西部ほど少ない傾向にある。これは,夏季を通じてほぼ同じ分布である。 2000年8月における北緯45度に沿った毎日の850hPa水蒸気量をみると,おおむね偏西風波動に伴う低気圧の東進に伴って水蒸気量の多い気塊も移動している。一方で,水蒸気量の多い気塊の東進と無関係に水蒸気量が急増しており,東進成分とは異なる低気圧の構造変化が生じている。