日本地理学会発表要旨集
2015年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: P037
会議情報

発表要旨
長野県北部飯綱山周辺の積雪深分布の特徴
*浜田 崇富樫 均
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
長野県環境保全研究所では,長野県北部の標高1000mの飯綱高原において,山岳地の積雪深変動をモニタリングするため,2002/2003 年冬季から積雪深の定点観測を実施するとともに,飯綱山周辺域において2010年冬季より積雪深分布観測を行っている.本報告では,これまでに得られた積雪深観測データを整理し,冬季の天気界付近にあたる山岳地の積雪深分布の特徴について報告する.
長野県の北部に位置する飯綱山は,標高1917mの中期更新世の成層火山であり,標高1000m前後の高原をなす小起伏面上に,ほほ独立した高まりとして存在する.この山体とその周囲に観測地点を設け,2010年以降,測深棒および神室型スノーサンプラーを用いた積雪深(積雪水量)の一斉観測を行っている.観測地点の数は9〜19地点,標高は574m~1,590mの範囲である.観測場所はなるべく周囲が開けた平坦地を選定した.観測は基本的に1月〜3月に1回/月の頻度で行い,1日〜1日半をかけて一斉に実施した.観測点の内1箇所(標高1030m)では,超音波積雪深計による積雪深の連続観測を行った.
当地域では,概ね12月下旬から積雪が始まり,1月中もしくは2月中に年最大積雪期を迎え,3月中旬から4月にかけて消雪する.積雪深(積雪水量)は標高が高くなるにつれて増える傾向にあるが,飯縄山のおおむね南北でわけてみると,標高との対応関係がより明瞭となる.また,当地域は日本海側の気候区を決める冬季の天気界(降雪分布の境界)付近に位置しており,地元で言われている天気界(高社山—中綱湖)からの水平距離が離れるほど積雪深が深くなるという傾向にもある.この傾向からはずれる地点をみると,すべて山地斜面上部となっていることから,当地域における積雪深の基本的な空間分布は天気界からの水平距離と,山地斜面の高度という2要素の影響が合わさることによって決まっているものと考えられる.
著者関連情報
© 2015 公益社団法人 日本地理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top