抄録
近年、千葉県一宮川中流域にある茂原市街地周辺では、台風や豪雨時に河川の溢水や内水被害がこれまでも多発してきている。この要因として、集中した豪雨、地形的要因による河川への排水困難、近年の土地利用や土地被覆の変化および地盤沈下や人為改変により生じる地形変化が挙げられている。 そこで本研究では、想定されている要因の一つである地形変化が洪水発生に与える影響について検討するために、まず1970年の数値標高モデル(DEM)を空中写真により作成し、2008年に航空レーザ測量により取得したDEMと比較することで時空間的な地形変化や土地被覆変化を抽出した。さらに、それらの結果に基づいて洪水への影響について検討した。