日本地理学会発表要旨集
2016年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: 614
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発表要旨
東京都心域における夜間晴天弱風日の温位鉛直分布の特徴
*中島 虹高橋 日出男横山 仁
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抄録
東京タワーの高度別気温観測値を利用して夜間晴天弱風日の都心における温位鉛直分布の特徴を示した.解析に先立ち,強雨風時には鉛直方向に大気が混合されることで温位が均一になることを東京タワーの観測値から確認した.その結果,強風時刻においても64mの温位は他の高度よりも系統的に高い温位を示した.そのため,各高度の観測値を補正して利用した. 5~8月の晴天弱風日には地上付近から250mまで中立または弱安定な温位分布が日没から明け方まで形成された.11~2月の晴天弱風日には,24時以降に温位傾度は増加し,安定な状態となった.18時から翌8時の各時刻の温位傾度分布に対して クラスター解析を行った結果,温位傾度分布は5つに類型化された.A型は下層から上層まで中立,B型は下層で安定,上層で中立,C型は下層から上層まで弱安定,D型は下層から上層まで安定,E型は下層で弱安定,上層で強安定な安定層底面を示した.安定層底面の高度は1960年代に東京都心域において観測された安定層底面高度より高かった.
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© 2016 公益社団法人 日本地理学会
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