主催: 公益社団法人 日本地理学会
2011年新燃岳の噴火では,景観を激変させた降下テフラ,火山礫などによる直接被害に加え,景観が定常状態へ回帰する斜面崩壊,土石流など土砂の二次移動による被害が注目された。ところで噴火停止後の二次移動の終息判断では,空中写真による判読や現地測量から地形変化の過程,範囲,程度等を評価する。そこで新燃岳噴火の2011年以降,既に高千穂峰山麓の開析谷を中心に,土砂移動が掃流によることを観察し,簡易レーザー距離計により地形変化を多頻度で計測し,二次移動は次第に終息に近づいてきたことを示した。また安定した降下テフラの土壌化に関する層相変化も継続観察している。本研究では,山麓の対極となる高千穂峰(1574m)山頂部を対象に,現地観察と画像データ解析による地形変化情報を分析した結果を報告する。